<制度改定と正しいルールについて>
先日のことですが、当院の患者さま以外の方から、こんな質問をいただきました。
「接骨院で治療したあと、保険者から『どうして接骨院に通院したのか?』を質問されて、きちんと答えられないと、健康保険が他でも使えなくなるって本当?」
実はお二人の方から同じようなご質問を受けたのですが……
「違います!違います!誤解ですのでご安心ください」
今回は、なぜそのような疑問が生まれているのか、そして令和8年7月から導入された接骨院の健康保険の新ルールについて分かりやすく解説します。
【令和8年7月改定】健康保険に新しい「8か月・9部位ルール」が導入されました
令和8年7月より、柔道整復師の療養費制度(接骨院での健康保険利用ルール)が一部変更されました。
今回の制度改定では、接骨院で健康保険を利用して施術を受ける際に、新たに「8か月・9部位」という基準が設けられています。
■「8か月・9部位ルール」とは?
直近12か月間において、以下の2つの条件に該当する方が、新たに「償還払い(しょうかんばらい)」への変更対象として追加されることになりました。
- 通算8か月以上、施術を受けている
- 通算9部位以上について施術を受けている
これは、異なるケガが同時または断続的に発生し、施術期間が長くなったり部位が多くなったりした場合に、保険適用として適正かどうかを慎重に確認するための制度です。
■「償還払い(しょうかんばらい)」になるとどうなる?
通常、接骨院で健康保険を利用する場合、窓口で自己負担分(1〜3割など)のみをお支払いいただきます。これを「受領委任払い」といいます。
一方、「償還払い」に変更になると、支払い手順が以下のように変わります。
- いったん窓口で全額(10割)を支払う
- ご自身で保険者(役場や健康保険組合など)へ申請する
- 審査後、保険適用分が払い戻される
※申請内容によっては払い戻しが認められない場合もあります。
このように一時的な全額負担や手続きの手間が発生するため、実質的に保険施術が受けにくくなってしまう可能性があります。
保険者からの聞き取り(照会)は、こうした手続きや内容確認のために行われるものであり、「答えられない=即保険適用外」になるわけではありません。
■ 8か月・9部位に該当すると、すぐに健康保険が使えなくなるの?
ここが一番大切なポイントです!
8か月・9部位の基準に該当したからといって、直ちに健康保険が使えなくなるわけではありません。
保険者による施術内容や負傷状況などの確認が行われた上で、必要に応じて「償還払いへの変更」が判断されます。
例えば、スポーツで新しいケガを繰り返した場合や、一度に複数の部位を負傷した場合などは、年間を通してみるとこの基準に該当する可能性があります。
そのため当院では、患者さまが将来的に制度上の不利益を被ることがないよう、保険施術の対象となる部位をこれまで以上に慎重に判断しております。
- 症状がごく軽い部位
- 経過観察で対応可能な部位
上記のようなケースについては、あえて保険施術の対象としない場合がございます。
これは「施術を行わない」という意味ではなく、患者さまの手続き上の負担や不利益を避けるための大切な判断です。ご理解いただけますと幸いです。
■ いつから適用されるの?
- 制度の施行: 令和8年7月1日〜
- 償還払いへの変更運用: 令和9年1月以降の取り扱いとなります。
■ 最後に
接骨院で健康保険が適用されるのは、出血を伴わないケガと痛みです(捻挫や肉離れ等、いつ?どこで?どうした?が分かるもの)。
慢性的な肩こりや日頃の疲労回復などは、原則として健康保険の対象外となります。
(※当院では、単なる揉みほぐし目的のマッサージや整体は行っておりません)
今回の制度改定をきっかけに、「保険施術」と「自費施術」の違いについても正しく知っていただければ幸いです。
当院では、患者さまに安心して施術をお受けいただけるよう、ルールに沿った適切な施術と丁寧で分かりやすい説明を徹底してまいります。
お体のお悩みや「保険が使えるのかな?」という疑問がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください!
今後ともよろしくお願いいたします。
