【TFCC損傷】手くび小指側の痛み 治りにくいので要注意!

手の痛み

TFCC(三角線維軟骨複合体)とは

手首で、2つの前腕骨(橈骨と尺骨)で作る関節(遠位橈尺関節)を安定化させている支持組織です(TFCCが断裂すると手関節部分を含めた全体の機能障害(グラグラ)が生じてしまいます)。

遠位橈尺関節は、肘関節に隣接する近位橈尺関節と共に、前腕の回内外運動を行います。

<どんな症状?>

・主症状としては、動作時に手首の小指側に鋭い痛みや不安定感が出現します。

・特に手首を小指側に曲げたり、その部位を押さえると痛みが出現します。

・通常、安静時の痛みはありません。「動かすと痛い」です。

・日常生活動作では、手首をひねる動作で痛みが強くなり、ハンドル操作やドアノブを回す、包丁をにぎるような動作が痛みのため困難となります。

27TFCC.pdf (jssh.or.jp)

TFCC損傷の原因

・手をついて転倒し、強い捻じれと背屈(手の甲を反ること)が強制されて発症する事が多いです。

・スポーツでは野球のバッティング、ゴルフスイング、テニスやバトミントンといった道具を使う競技で好発します。

・また、捻挫などの外傷や、慢性的に繰り返されるストレス、加齢による変性なども原因となります。

・「尺骨突き上げ症候群」もTFCC損傷を来すことがあります。                 (前腕(肘から手)には橈骨と尺骨の2本の骨があります。橈骨に比べ尺骨が長いことにより手関節尺側に疼痛が生じた場合、尺骨突き上げ症候群と呼びます)

TFCC損傷の診断

痛みがなかなかとれない場合、手関節部の腱鞘炎なのか、、尺骨突き上げ症候群なのか、、裂離骨折なのか、、との鑑別が難しい場合も多く、MRI検査や関節造影検査などの画像診断が必要な場合が多いです。

27TFCC.pdf (jssh.or.jp)

手関節の尺側ストレステストなどでTFCCの損傷が疑われるが、外科的な適応の決定にはMRIや関節造影検査(X線透視検査)を行い、靱帯断裂を起こしているかどうかを判断する必要があるとの事です。

27TFCC.pdf (jssh.or.jp)

判断が難しい場合があり、南紀鍼灸接骨院でも、ある程度の回数施術をしても痛みの変化少ない場合は、スポーツクリニックを紹介させて頂いております。

整形外科・スポーツ整形|北出病院 (reimeikai.com)

TFCC損傷への対応

どうすれば良いか?ですが、

早期であれば、ほとんどの場合、固定装具やサポーターによる手首安静によって症状は緩和するといわれています(約4週程度の装具固定で57%に症状緩和を認めるという報告もあります)。

27TFCC.pdf (jssh.or.jp)

また再発防止のために、リハビリテーションによる筋力強化も必要です。

保存療法>

・手関節への負担を減らすための手関節装具を使用(固定期間は約6週~12週程度)

・テーピング指導

・手関節周囲筋のストレッチとトレーニング

・その他、肩関節周囲や胸郭・肩甲帯のストレッチ、体幹トレーニング

※スポーツ復帰や日常生活動作の安静度は経過をみながら担当医師と相談しながら決めていきます。 焦ってはダメです。

お知らせ|一般社団法人 日本手外科学会 (jssh.or.jp)

保存的療法で症状が改善されない場合は、病院での対応をお願いする場合もあります       (外科的対応の場合は概ね6か月で競技復帰を目指すとの事)。

参考文献

北村ら 運動器の臨床解剖アトラス 医学書院

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