【脊柱管狭窄症?】休み休みでしか歩けない方が急性腰痛になってしまったら、どうする?

患者さまへ

通院中の患者さまから「畑仕事をしている時は何ともないが、、、歩き始めると腰が重ダルくなって全くダメで、、、休み休みなら歩けるんやが、どうしたら良いか??の~」と相談していただいていた方が、急性腰痛(ギックリ腰・ビックリ腰)になってしまいました、、どうする?どうする?

・まずは、急性腰痛に対する施術を行います。

・痛みが軽減してきた段階で、再発予防・運動や今後について、患者さまと御話していきたいと思います。

「休み休みなら歩ける」という事で「脊柱管狭窄症」を疑います。

脊柱管狭窄症は、加齢変化(歳を重ねること)が原因のことが多く(誰でもなってしまう可能性)、背骨周囲に変化が生じれば、通常よりも小さな負荷・衝撃で「痛み(急性腰痛や急性頸痛)」が発生し易くなってしまいます。

「脊柱管狭窄症」について

脊椎(背骨)は椎骨とよばれる骨が連結したものです。 頭側から頚椎(けいつい)7個、胸椎(きょうつい)12個、腰椎(ようつい)5個がありその下に、仙椎(せんつい)、尾骨(びこつ)があり、椎骨と椎骨の間には椎間板があります。 脊椎の解剖|脊椎手術.com (sekitsui.com)

脊椎の3つの大切な役割は「体を支える(支持)」「体を動かす(運動)」「神経の保護」。

human skeleton under the X-rays. 3d render

ところが、脊椎とその周辺組織(椎間板や靭帯)が傷んでくると、本来守っているはずの「神経」を、逆に圧迫したり傷つけたりするようになってしまいます。

椎間板の変性、脊椎骨・関節の変形、靭帯の肥厚などが生じ、脊髄神経を圧迫し、症状が出現するものを「脊椎変性疾患」と呼んでいます。

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「椎間板ヘルニア」「靭帯骨化症」「すべり症」等が、この脊椎変性疾患に分類され、今回の「脊柱管狭窄症」も含まれます。

多くの場合は加齢変化なので、自然治癒の見込みも期待出来ますが、脊髄症状(神経症状:歩きにくい、動かしにくい、尿が出にくい、など)が進行する場合には、早目に外科的な対応が必要かもしれません。

脊髄には「脊柱管」と呼ばれる脊髄神経の通り道があり、椎骨が連なってできたトンネル状の管で、管の中には脳から続く「脊髄神経」が収まり、脳脊髄液で満たされています。図(椎骨:背骨の断面図)の赤丸で囲った部。

この脊柱管が狭くなったものが「脊柱管狭窄」です。

椎骨の間にある水分に富んだ「椎間板」が加齢によって徐々に弾力性を失っていき、負担がかかり、徐々に変性して本来の役割を果たせなくなることで、複数が積み重なった椎骨はグラグラと不安定な状態になり、椎間板が後部に飛び出すように変性し、これにより過剰なストレスを受けた「靭帯」が分厚くなり、脊柱管が挟まっていきます。

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発症は、日常生活で腰への負担がかかりやすい姿勢・動作を繰り返すことで誘発されることがあります。

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その他、交通事故や骨粗鬆症、喫煙や運動不足に関連した背骨の圧迫骨折後に、骨そのものが変形突出したりすることで脊柱管が狭くなり、神経を圧迫するタイプもあります。

そして、背骨を後ろに反らせると脊柱管が狭くなり、前にかがむと広がるため、間欠性跛行(かんけつせいはこう:休み休みでしか歩けない)が起こってしまいます。

閉塞性動脈硬化症という特定疾患などでも、間欠性跛行が起こることがあるので、症状によっては早目の病院受診が必要な場合もあります(この場合は、ふくらはぎが痛くなり、また、安静にしていてもシビレ、痛み、冷感を感じるようになるそうです)。

介護保険の特定疾病、閉塞性動脈硬化症(ASO)とは?|LIFULL介護(旧HOME’S介護) (homes.co.jp)

代表的な症状

  • 下肢の痛み(坐骨神経痛など)
  • 下肢のしびれや異常感覚(灼熱感など)
  • 間欠跛行(かんけつはこう)
  • 腰痛
  • 排尿・排便障害(頻尿、残尿、失禁など)
  • その他(下肢脱力、間欠陰茎勃起、陰部のしびれなど)
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くり返しになりますが、基本的に加齢変化ですので高齢の方に多く見られますが、最近、当院では、40代の方でもいらっしゃいます。 

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狭窄のあるすべての人に症状が出るわけではなく、痛みやしびれなどの症状が出ない場合もあります。レントゲンなどで脊柱管狭窄が確認されたとしても、それが痛みやしびれに結びつくとは限らないとの事。

脊柱管狭窄症は頚椎ないし腰椎に発症することが多い疾患です。       

・頚椎に生じた場合には、手足のしびれや運動障害を自覚するようになります。例えば、お箸が使いにくい、字が書きにくい、ボタンが掛けにくいといった上肢の症状に加えて、歩きにくい、ふらつく、階段が上り下りしにくいなどの下肢の症状も出現します。

・なかでも、腰部脊柱管狭窄症がもっとも多いといわれています。

腰椎の脊柱管狭窄症では、腰から下のしびれや痛みが出現します。歩いているとお尻や足に痛みやしびれを感じ歩けなくなり、休むと楽になる。それでまた歩くと再び痛くなるといった、間欠跛行(かんけつはこう)と呼ばれる症状が特徴的です。

腰を伸ばすと脊柱管が狭くなり、座ったり、腰をかがめると脊柱管が少し広くなります。

神経や血管への圧迫が原因となって発症するため、少しでも圧迫を解除できるような前傾姿勢・腰をかがめる姿勢をとると症状が和らぐ傾向にあり、それで休むとまた歩けるようになるのです。なので、杖をつく、シルバーカーを押して歩くなどで症状が緩和します。

症状が進行すると、初期には片足のみに症状が現れ、進行に従い両足に症状が広がり、歩ける距離が徐々に短くなり、ついには立ち上がっただけでしびれ、そして座ってもしびれがとれないようになってしまいます。

より進行すれば、足に力が入らなくなり(麻痺)、おしっこが出にくくなったり(排尿障害)します。

椎間板ヘルニアとの違い

足の痛みやしびれを伴う代表的な疾病は「腰部椎間板ヘルニア」です。

腰部椎間板ヘルニアは、椎間板がつぶれたり飛び出したりすることで神経が圧迫され、腰から足にかけてしびれを起こします。

「腰部脊柱管狭窄症」と異なり、比較的若い年代が仕事やスポーツを契機に発症することが多く、前かがみになると痛みが増強することが多い特徴があります。

椎間板ヘルニア

  • 比較的若い世代
  • 前かがみになると痛みが増強する

腰部脊柱管狭窄症

  • 高齢者
  • 前かがみになると楽になる

やってはいけない動作・運動

腰を強く反らす、背屈する方向の運動はあまりしない方が良いです。

脊柱管が狭くなる方向に作用するので、より強く神経を圧迫し、症状が悪化する危険性があります。

急激な痛みやしびれが起こった場合は、症状を悪化させないため、あまり動かず安静が第一。
しかし安静期間が続くと、筋力や柔軟性が低下するので望ましいとは言えません。

激しい痛みや痺れがある程度落ち着いたら、安静にせず適度な運動が必要です。

基本的には腰に負担のかかる動作は避けるべきです。

ゴルフは、、、いかがでしょうか???

やっても良い動作・運動

歩くことは下肢筋力や腰椎支持力を維持するために重要。痛みが増強しない程度に毎日歩くのが望ましいです。

神経への圧迫をある程度減らすため、前傾姿勢をとる、杖やシルバーカーを利用するなどの方法があります。

ただし、あまり前傾姿勢を強くし過ぎると、長期的にみると腰椎の前方(椎体や椎間板)に対して負荷がかかり、変性が進行する危険性があります。

また、腰背部の筋肉の緊張も誘発して腰痛の原因ともなるので、こまめに休息をとりながら歩くなど、工夫が必要です。

自転車であれば、腰に負担がかからず、神経への圧迫も軽くなった状態で運動できます。

椎間板ヘルニアと違って、脊柱管狭窄症は病変が自然に消褪することは期待できないので、症状を悪化させないことに注意しながら、出来る運動を続けていくことが大切です。

それでも症状が悪くなった場合は?

痛みや痺れにより生活に支障が出てきた場合、足の力が入りにくくなった場合、排尿や排便に支障が出てきた場合などでは、要注意で、お願いします。

運動療法・リハビリ

発症して間もない急性期は疼痛が強く、とくに体を反らす方向に動かすと脊柱管の狭窄が悪化するため注意が必要で、身体を反らす動きやうつ伏せなどにならないように動作指導を行います。

寝た状態で痛みが出現する場合の運動療法は、できるだけ安静にし、ベッド上で無理のない範囲で体を動かしていきます。

腹式呼吸

体幹のインナーマッスル(腹横筋・多裂筋・横隔膜など)を鍛える運動です。
腹筋に力を入れることで腹圧が高まり、脊椎への負担が軽減します。仰向けでも坐位でも出来ます。

回数は10~20回から、少しずつ増やしていきます。

足首の上下運動

足部を上下に動かす運動を3分程度続け、1時間に2回程度定期的に行うことで、足の血流の循環を改善します。

お尻筋トレ

これスゴク大切!

横向きで寝て、膝を少し曲げる~90度曲げた状態で、足クビは動かさずに、膝を上に持ち上げます。

100~200回(連続でなく、複数回に分けても大丈夫)。

参考

腰部脊柱管狭窄症のリハビリテーションにおける運動療法 (sankenkai.or.jp)

脊髄脊椎外科 脊椎変性疾患・その他 | 東京女子医科大学脳神経外科 (twmu.ac.jp)

腰椎変性疾患 | 総合東京病院【公式】中野区 練馬区 24時間救急受入 (tokyo-hospital.com)

腰部脊柱管狭窄症で やってはいけないことは? ‣ 脊椎外科医 芳村憲泰のホームページ (osaka-seboneatama.com)

四角いお尻をキュッと丸くする!トレーニング方法【美尻塾】|MINE(マイン) (mine-3m.com)

腰部脊柱管狭窄症の症状とおすすめ福祉用具|介護用品のレンタル ダスキンヘルスレント (duskin.jp)

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ロケット|串本町 (town.kushimoto.wakayama.jp)

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