踵骨骨端症(セーバー病、シーバー病)は、10歳前後の男児に多くみられるのが特徴で、男子の方が女子の2倍多いといわれています。
運動のあとに症状が出ることが多く、痛みを回避しようとして「つま先歩き」をして来院するようなスポーツ選手もいます。
どうしたら良いか?
ですが、、、基本的には、、、「頑張っている選手が多いので、なるべく運動を中止しないようアドバイスしながらの施術を心がけます」です。
しかし、このようなエコー画像を見ると、そうも言っていられないような気がします。
どうしたら良いですか?ですが、このように御話しています。
① 歩くだけでも痛みがある場合には運動休止
② 運動時のみ痛む場合には運動を抑え、出来るだけ足を安静に
③ 硬いコンクリートの上を走ることは避け、芝生や土の上を走る
④ 運動後にはアイシング
⑤ ふくらはぎやスネ、アキレス腱をストレッチ
⑥柔らかい素材でできたパットをカカトに装着
⑦偏平足がある場合には、土踏まずを持ち上げるような靴の中敷き(インソール)を装着
(シーバー病を発症した人のうち、約8割が偏平足など足のアライメント異常があったとの報告もあります)
スポーツ選手の激しい運動が大きな原因ですが、体のアライメント(骨の配列や姿勢の取り方)が整っていない状態で運動をすることも原因の一つ。
どの部の痛みでも同じですが、なぜその痛みが出るようになってしまったのか、、、姿勢や動作の分析も必要だと思います。
近年ではゲーム機やスマートフォンの使用などで下を向く姿勢が長くなる事も多く、椅子に座って下を向くと骨盤が後傾し、人間の本来の姿勢が崩れ、体幹を上手に使うことが難しくなり、体の様々な部位に支障が出てきます。
そのため、やはり体幹トレーニングやストレッチなどケガをしにくい体づくりが大切です。
スポーツ復帰までの期間に関しては、1~2カ月だと考えられますが、数年との報告もあるので、無理してしまうと「痛みの取れにくいスポーツ障害のひとつ」だと思っています。
予防
シーバー病を予防するには、アキレス腱や足底腱膜のストレッチ・足指の運動がとても大事です。
・グーチョキパー
特徴
発育期の子供のカカトの弱い骨端部(骨の端でアキレス腱が付着しているところ)に大きな負荷がかかり、そこにアキレス腱の引っぱる力が持続的に加わることで、ストレスが集中して炎症が起こるのが、この痛みです。
腱などの軟部組織は、骨と同じように成長できないため、成長期はアキレス腱の柔軟性が低下して、硬くなりやすい状態ともいわれています。
「シーバー病」は成長期のお子さんに起こるため、“成長痛“と捉えられる場合もありますが、膝のオスグッド病と同じく、「スポーツ障害」のひとつです。
単なる“成長痛”と見過ごさず、早めに適切なアドバイスを受けることが必要な疾患です。
発症のメカニズム
①:踵骨にはアキレス腱がくっついていて、走ったり、ジャンプなどをすると伸び縮みします。
↓
アキレス腱を伝って、踵骨をひっぱるストレスが生じます。
②:また足の裏にある足底筋膜も踵骨にくっついていて、運動時、ダッシュやジャンプの着地などで足底筋膜がひっぱられます。
↓
足底筋膜がひっぱられるストレスによって踵骨に負担がかかります。
①アキレス腱、②足底筋膜を伝って生じる「引っぱりストレス」によって、カカトの痛みが出て〝セーバー病〟になります。
このストレスがかかりすぎると、成長期の踵の骨の先端が骨折してしまうこともあります。これは治療に時間がかかることも多いので、早期対応が必要です。
参考
踵骨骨端症(シーバー病・セーバー病) | 宇都宮のはせがわ整形外科 (hasegawaseikeigeka.com)
シーバー病 |いしがみ整形外科|川越市 (ishigami-seikei-cl.com)小学生のかかとの痛み:踵骨骨端症|よくある症状・疾患|札幌スポーツクリニック|札幌市中央区の整形外科・内科・リハビリ科 (sapporo-sports-clinic.jp)