【成長期の肩痛】インナーマッスル&体幹も鍛えましょう!

スポーツ傷害・障害

たくさんの学生スポーツ選手が困っている肩の痛みについて!

原因のほとんどは、使いすぎによるもので、繰り返し動作により肩関節に過剰なストレスがかかり、炎症や損傷が起きます。

肩関節は、私たちの身体の中で一番可動域が大きく、あらゆる方向へ動かせる関節で、たくさんの筋肉や靱帯が組み合わさった、複雑な構造をしています。

オーバーユース(使いすぎ)や不備のあるフォームで、肩関節に過度の負担をかけ続けると、肩周りのインナーマッスルである腱板や、関節唇(かんせつしん)に炎症や損傷が起こり、痛みが発生します。 

運動動作時の痛みから始まり、悪化すると日常生活でのちょっとした動きでの痛くなってしまいます。

ボールを投げるようなオーバーヘッド動作に伴って肩関節周辺に発生する痛みで、野球の投手に多くみられるため、「野球肩・投球障害肩」いわれることが多いですが、テニスやバレーボール、ハンドボール、やり投げなどの競技でも発症します。

「投球動作」は、肩関節周囲のみでなく、全身のダイナミック運動で行われるものなので(でんでん太鼓様運動)、下肢や背骨の痛みが肘や肩に障害をもたらしていることも多いといわれています。

肩・上肢周囲の柔軟性のみでなく、体幹・腰周り・下肢の柔軟性も大切です。

また、特に成長期の場合「出来るだけ肩より高い位置から投げろ!」「高い打点からアタックを打て!」と指導しても、体幹がしっかり安定していないと、腕を上にあげる事が出来ないので、肩や肘痛の原因になります。(自重で良いので、体幹トレーニングも必要)

したがって、投球により肩が痛い場合は「肩周囲の柔軟性・不安定性の確認」と共に「体幹や下肢への対応も必要」で、実際、腰や下肢の痛みを治すと、肩の痛みが治ることも経験されます。

どうしたら良いか?

動作中に痛みが生じたら、まずはアイシング等の処置を行って痛みを緩和します。

そして、「肩甲骨周りの柔軟性は保たれているか」「筋力は低下していないか」をチェックし、ストレッチから始め、インナーマッスルや体幹のトレーニング。

その後、やはり「練習量や運動強度は適切か」「正しいフォームで投球できているか」の確認も必要だと感じます。

野球肩の治療としては基本的に保存療法です。

数週間~数カ月程度のノースロー(投球中止)で痛みが軽減され元通り投げれることが多いです。

ノースロー期間中は、接骨院での疼痛軽減の施術に加え、全身のコンディションを整え、フォームの確認を行います。

しかし、一カ月以上かかってしまう場合もあり、腱板や関節唇損傷など精査が必要な場合もあります。

インナーマッスルとアウターマッスルのバランスが痛みに関係する事が多いので、懸垂などのトレーニング、重りをもった状態での肩回しなど肩に大きな負荷のかかること(荒治療)は禁止してください。

ストレッチ・肩関節インナーマッスルトレーニング・肩甲骨周囲筋トレーニング・体幹トレーニング・バランストレーニング・投球フォームチェック、などが必要です。

肩関節ストレッチ

肩関節周辺の筋肉をやわらかくすることで、肩甲骨の可動域が広がり、肩への負担が軽減されます。

野球肩の予防に、日常的にストレッチをする習慣が大切。

関節は内圧が高くなると痛みが生じます。

これは肩関節も同じで、肩の挙上や回旋などによる運動痛は、肩甲下滑液包の閉塞により関節内圧が高くなっていることがありので、内圧を下げてあげると痛みが緩和する事が多いです。

肩関節の挙上・内旋や外旋など、やさしい徒手矯正でも、除圧により痛みがなくなることがあります。

体幹筋力不足                    

繰り返しになりますが、特に成長期スポーツ選手の場合「出来るだけ肩より高い位置から投げろ!」「高い打点からアタックを打て!」と指導しても、体幹がしっかり安定していないと、腕を上にあげる事が出来ないので、肩や肘痛の原因になってしまいます。

【体幹トレーニング】体幹を鍛える効果とは。初心者向けトレーニングメニューも解説 | トレーニング×スポーツ『MELOS』

インナーマッスルのトレーニング

インナーマッスルを強化するには、どうすれば良い?

「トレーニングの際、負荷をかけすぎないこと(低負荷・高頻度)」がポイント!

一般的なのが、チューブトレーニングです。

市販の弱いチューブを片手に握り、ひじを体につけたまま、「小さく前に習え」の恰好をし、

外側に30~100回ずつ引きます。それを1日3~5セット。

実際に行ってみると、あまり手応えなく感じてしまうかもしれませんが、負荷が強すぎるとアウターマッスルが働いてしまい、効果がなくなってしまいます(肩痛の時にアウターばかり鍛えると、肩痛が増強してしまいます😢)。

「もっと手軽にという人には、ウチワ!!」などでも可能。

トレーニング効果は少し落ちてしまいますが、ウチワパタパタを50~100回、1日3~4セットやるだけでインナーマッスルの運動になります。        

南紀鍼灸接骨院では、ウチワトレーニングを積極的に指導しています、、、面倒くさくないので!

大きいウチワもあります😊

肩に「強い痛み」がある場合は、注意が必要です。

このときは、ひじを体につけたまま「小さく前に習え」の姿勢で腕を軽く内旋外旋(内方向・外方向へ緩く振る)のみでも大丈夫。

これだけでもインナーマッスルの刺激にはなると考えられます。             

痛みが出ないように、、、バランスが崩れないように、、、痛みのある時は、インナーマッスルの強化が大切!です。

インナーマッスルとアウターマッスル

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関節の痛みに大きな影響を与える「インナーマッスル」ですが、肩や股関節などの周辺にある小さな筋肉のことで、関節を安定させる役割を担っています。

肩関節周辺の筋肉は、大胸筋、三角筋などの「アウターマッスル」と呼ばれる、力を生み出す大きな筋肉だけでなく、

その内側に位置する棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋などの「インナーマッスル」で構成されています。

トレーニング低負荷がポイント

ある野球選手では、シーズン初めに16.0ミリあった棘下筋の厚みが、シーズン終了時に13.5ミリまで消耗していたそうです。

ボールを放した後、減速する利き腕にかなりの負荷がかかるため、もともと繊細なインナーマッスルが微小断裂を繰り返すことが分かっています。

手入れをしないまま酷使すれば、インナーマッスルの消耗で背中が陥没するように見えることもあります(肩甲上神経損傷)。

インナーマッスルのトレーニングを続けることで、競技力が向上し、選手生命も延びる可能性が充分考えられます。

成長期スポーツ選手の肩痛の種類

野球肩と総称される痛みの原因には、いくつかの種類があります

1. インピンジメント症候群

上腕骨の先端が肩峰や烏口突起などに衝突することにより、腱板がはさまれ、肩峰下滑液包に炎症や損傷を起こす症状で、野球以外にもテニスなど、肩よりも腕を高く上げる動作が繰り返されることで発症します。

肩を上げていくときに、ある一定の角度(70~120°)で引っ掛かりや痛みを感じ、それ以上、腕を挙上出来なくなるのが特徴です。

2. 上腕骨:骨端線離開

成長期の野球選手に多発する投球障害のため、リトルリーグショルダーとも呼ばれます。

成長期の骨は大人に比べて強度が低いため、オーバーユースにより上腕骨の骨端線(成長線:骨を形成する細胞が密集している部位)に離開が生じます。

主な症状は、投球直後の鋭い痛みで、放っておくと、成長障害(腕の長さの左右差・将来的に上肢が短くなる)が起こる可能性があります。

投球動作の他、ラケット競技、あるいは転倒した際に肩から落ちるなどの外傷も、その原因として挙げられます。

3. 腱板損傷

棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)の4つの筋肉の腱の部分が集合したものを腱板といいます。

腱板損傷とは、肩関節と腱板が衝突して、上腕骨頭に付着している腱が骨頭から剥がれたり、破れたりする損傷のことを言います。

過剰な肩の回旋運動によって生じることが多いです。

痛みで腕が挙がらない。夜、痛みで目が覚める。腕を下ろす時にも痛みが走る。痛くなったほうの肩を下にして寝られないなどの症状が現れます。

4.ルーズショルダー(動揺肩、動揺性肩関節症)

関節が柔らかく範囲以上に肩関節が動いてしまう選手に多いスポーツ障害です。

肩関節の安定化に関わっている上腕骨と肩甲骨の間にある靭帯や関節包が先天的に緩い状態で、こういう選手が肩を使いすぎると、周囲の組織を損傷し症状が現われてきます。


バレーボールのスパイクやサーブ、テニスのサーブやスマッシュ、槍投げなどでも生じます。

肩の不安定感・脱力感、肩が抜けるような感じ等を伴うことがあります。

5. 肩甲上神経損傷

フォロースルーのように腕を振り下ろす動作をしたときに、棘下筋を支配している肩甲上神経が締め付けられ、痛みやしびれ、疲労感などが生じる障害です。

肩の痛みが肩の後ろ外側に放散します。

肩甲骨の山が目立つようになります(棘下筋の萎縮)。肩全体に疲労感が出ます。

以前、プロ野球の監督を務めた方が「肩だけは手術をしても復帰が難しい」という趣旨の発言をしていたことがあります。それほど肩のスポーツ障害は、早期に予防対策を打っておくことが大切なのです。

大人の肩痛

余談になりますが、「インナーマッスル強化」は運動能力の向上にとどまらず、「肩や腰の痛みに悩む中高年」にも効果があると言われてます。

スポーツ選手の間では、重要性が認識されているインナーマッスルですが、実は「肩の痛みを訴える一般の方も、半数ほどはインナーマッスルの傷みや衰えが原因」という指摘もあります。

インナーマッスルの劣化は、50歳を過ぎたころから進行。「50肩だと思い込んでいたが、実はインナーマッスルが弱っていたり、断裂していたりするケース」が多いのかもしれません。

インナーマッスルは加齢により、まるで雑巾がボロボロになるように衰えていってしまいます。70歳以上の男女2割くらいで「インナーマッスルの断裂症状が見られる」との報告さえあります。

また、壮年期以降の方が、久しぶりに運動を始めようと腕立て伏せや懸垂を急にすると、インナーとアウターマッスルのバランスが崩れて肩痛が発生してしまう事がよくありますので要注意!です。

*年齢に関わらず、肩痛の方にはインナーマッスルのトレーニングや再教育が必要です。

 参考

URL

肩におけるスポーツ障害 | メディカルノート (medicalnote.jp)

野球肩(肩のスポーツ障害)| Dr.KAKUKOスポーツクリニック (dk-sc.com)

野球肩の症状・原因と予防法 自分でできるストレッチ&トレーニングガイド|スポーツによる慢性の痛み|痛みwith (omron.co.jp)

【野球肩の治療】治る期間に数週間〜数ヶ月かかる場合もあります (ginowanseikei.or.jp)

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