ケガした後直後の「痛み・腫脹を軽減させる」という目的では、冷やした方が良いと思います。
しかし、「熱感や腫れが無い」のであれば、、、
傷んだ組織の修復・再構築期に入っていると考える事が出来るので、頑張って「冷やす」必要もなく(冷やしすぎないように)、早期の機能訓練が必要だ(早期に機能訓練に入った方が良い)と思っています。
困っている選手達へ、お早目にご相談ください
一緒に乗り越えましょう!
少し前までは、出血を伴わないケガ後は「痛かろうが・痛くなかろうが、、、腫れていようが・腫れてなくても、、」とにかく「冷やせ!冷やせ!」だったんです、、、。 南紀鍼灸接骨院内でも「冷凍庫」を設置し、氷の準備は十分しています。(氷の種類については後日)
しかし、冷やすべきか?また、冷やし方はどうする?など 傷害の程度・種類によって方法・考え方が違うのではないか?と言われるようになってきています、、、(これが難しい)。
RICE処置は、スポーツ外傷の基本中の基本的処置で、捻挫・打撲・肉離れのような、皮下出血が心配される外傷に関して広く行われてきました。 <最近はPRICES(プライシス)処置とも言うそうです。Protect(保護)、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)、Stabilization/Support(安定/固定)>
しかし、最近ではRICE処置は正しいのか否か?あるいはどのように使えばいいのか?について議論されています。
<今回はアイシング(冷却)への一考察です>
「アイシングによって組織の治療過程が進まないのではないか?」や「冷やしすぎ・休みすぎは、むしろ治癒過程を遅らせるのではないか?」との意見もあり、さらに「捻挫した後には、アイシングよりバランストレーニングや可動域訓練等を積極的に行った方が良い!」との報告も出てきてます。
では、なぜアイシング処置が組織修復を遅らせるのか??ですが、、、 「アイシングによって、腫脹は小さくなるが、損傷からの回復を早めることはない」との報告や、 これ以外でも、筋損傷後に早期治癒されるためにアイシングが良いのかについては「エキセントリック(伸張性)収縮によって生じる筋損傷が起きた場合、アイシングをした場合としない場合では、その治癒期間は変わらなかった」「痛みは和らげるが、組織の修復に至ることはない」等の報告があり、確かに「痛みは和らげる・腫脹は減るが、筋損傷の回復を早めるものではない」と言われているようです。
また「アイシングと圧迫を併用する事で、圧迫だけよりも治癒を促進するという根拠はなく、むしろアイシングとエクササイズを組み合わせた方が足関節捻挫の治癒に効果的な可能性がある」など様々報告されています。
<そもそも炎症とは何?>ですが、 激しい運動や外傷で組織が傷つけられた時、自分の免疫機能などによって身体を治癒させるのが「炎症反応」。すなわち、それ自体悪いものではなく、組織を治そうとする過程で生じるものであって必要なものなんです。 例えば、足関節の捻挫であっても反復性の人であれば、ちょっと捻じってもあまり腫れない選手もいます。そういう人については、従来からの、20~30分・3~4回繰り返し、のアイシングは必要ないと考えられます。
また「冷やすことによって運動パフォーマンスを低下させる」さらには「アイシングによって痛みは軽減するが、筋力・能力は低下するので冷やし過ぎは良くない」、「もし試合中に痛み・腫脹を抑制するのが主目的であれば、アイシングは5分以内にするべきである」等の報告があります。
私も冷やしすぎは好ましくないかな!と感じています。(先日も当院に、机角で膝を強くブツケてしまったという女性患者様が来院されました。腫れがひどくで膝関節の屈伸も出来ない程でしたので積極的なアイシングをお勧めしました。3日間の積極的アイシングで腫れが軽減した、4日目の夜に「今までと違うウズく痛みで夜眠れなかった」との御話で、5日目の夜はアイシングを中止して貰った所「夜眠れた!」との事でした、、、当然個人差がありますが、痛み・腫れ・アイシングのバランスは大切です)
「ケガ後の腫れを最小限にするためには挙上する」 「筋などの軟部組織の損傷であれば、バンテージなどの圧迫包帯を巻くとよい」 「アイシングによって損傷部位の痛みが軽減されることは明らかとなっているので、けがをした直後の短時間の冷却は行ってもよい」 「10分間のアイシングを行った後、アイシング行わないで20分間安静にし、再度冷却を1回もしくは2回繰り返すとよい」との報告。
他には「冷却と安静のサイクルについて、けがをしてから6時間以上経過後、行うことに関しての根拠はな・・・すでにリモデリングが始まっていると考えられます。 また「動かすことによって痛みや不快感が増大しなければ、可能な範囲で損傷部分を動かした方がよい」とも言われています。
・応急処置としてのアイシングとリハビリテーション
・競技復帰や治療のなかでのアイシング
しかし、受傷初期に関してはやはり痛みが伴うので、それを抑えたほうが良いのではないかということは当然言われていて、冷やすことは別に悪いわけではないと言えます(かつて、Jリーグの全チーム調査でも「応急処置としてアイシングを使っている」いう結果でした)。
競技復帰を考えるのであれば、状況に応じて適切な負荷をかけたほうが良いのではないかというのは理解できます。
冷却における生体反応
アイシングによる生理学的効果は、体温・筋温が低下することで、筋出力にはプラスに作用する時もあります。神経伝達が低下するので、痛みの閾値が高くなり、痛みの軽減が起き、筋スパズムなども低下します。代謝が落ちるので、二次的損傷が低下し、エネルギー消費も低下します。 さらに血流が阻害され、腫脹が低減します。これらによって二次的損傷予防や腫脹低下することを可能にするため応急処置として使われています。
簡易的圧迫と、バンデージでしっかり圧迫した時の違いを皮膚温と筋温で見ると、最も温度が下がるのは圧迫をきちんとした場合との事。
分けて考えるべき、応急処置のアイシングとコンディショニングのアイシング
<私なりにまとめます>
「痛みを軽減する・腫脹を軽減させる」目的では、冷やした方が良いです。
しかし「熱感や腫れや痛みが少ない」のであれば、リモデリング期に入っていると考える事が出来るので、無理に長時間・何回も冷やさず、早目に機能訓練をした方が良いと感じます(リモデリング時期の組織修復に関してアイシングは、妨げになってしまうかもしれません)。
ところが、外傷がひどくて出血もひどくてパンパンに腫れているようなときには、リモデリング時期がずれる(遅くなる)ので、場合によっては3日間以上冷やすという事も必要となります。
私自身もかつて肉離れを数回経験していますが、RICE処置をしっかり行った(しっかり冷やした)部位は、瘢痕シコリは残っていません。
肉離れをした際に、応急処置をせずに、冷却・圧迫をしなかった場合はどうなっていたのか? 腫れもひどくなり、相当な血腫が残るだろうし、復帰は相当遅れたと思います(瘢痕組織シコリも残ってしまいます)。
なかなか取れない「痛み」是非ご相談ください。
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