10代のアスリートに多く、特にランニング障害の15%近くを占めるといわれています。
原因は、脛骨に加わるストレスによって生じる骨膜炎とされていますが、近年では、腱炎・筋膜炎・骨膜炎などを含めた、脛骨のストレス反応による過労性障害と考えられています。
女性においては、骨粗鬆症、無月経、摂食障害を主徴候とする「女性競技者三主徴症候群」と関連しているとも考えられています。
主症状はスネの痛みで、はっきりしない広範囲に広がる痛みとともに、押したときの痛みがあります。
初期にはトレーニング開始時に痛みを感じ、休憩すると数分のうちに軽快するのですが、進行してしまうと日常生活や安静時にも痛みを生じるようになります。
どうしたら良いか?
では<どうしたら良いか?>ですが、
①安静
②運動療法
③物理療法(電気や鍼など)
④装具療法(足底板)
といた保存治療が主となります。
①安静
強い痛みを感じている急性期の第一選択は「安静」で、まずは運動量を制限する必要があります。
受傷後2~6週間はスポーツを休止したほうが良いと思います(これがなかなか難しい、、、)。
急性期には患部のアイシングを行って炎症を抑えます(競技復帰してからもトレーニング後のアイシングは必要です)。
②運動療法
痛みが軽くなった後の競技復帰までのトレーニングは、痛みのない範囲で段階的に増加させます(芝生や土のグラウンドなどでのジョギングから)。
シンスプリントの身体的要因として挙げられるのが「柔軟性不足」と「筋力不足」で、これらを高めることが必要です。
柔軟性を高めるストレッチ
ふくらはぎや足裏のストレッチを十分に行います。
筋力を高めるトレーニング
「ふくらはぎ」はカーフレイズ(つま先立ち)を行います。
(膝を伸ばした状態で踵を上下させると腓腹筋。膝を曲げた状態で行うとヒラメ筋のトレーニング)
「後脛骨筋(スネ内側の筋)」はチューブを使って負荷をかけ、足関節の内返し(足裏が内側を向く動き)を繰り返し行います。
「足趾屈筋群」は足の指を使ってタオルを手前にたぐり寄せる「タオルギャザー」や「足指グーチョキパー」によって筋力を高めます。
テーピング
「下腿三頭筋」「後脛骨筋」や、アーチを保持するテーピングは有効です(足裏の筋肉をテーピングでサポートすることで、アーチを引き上げ、低下を防ぎます)。
シンスプリント用の複合テーピング!効果あり!!
③物理療法 ④装具療法
急性期は、「炎症を抑えるため」に電気療法や超音波治療などの物理療法も組み合わせます。
痛みのきっかけが、オーバーユース以外の可能性もあるため、負担になった原因を探り、再発防止が必要です。
また、偏平足やハイアーチなどの足部の形態異常などを評価し、その人に合ったアプローチも行います。
必要に応じて、インソールなどを行い患部の負担軽減を目指します。
インソール
インソール使用よって、足底部のアーチ形態を機能的、解剖的に補正して足部のアライメントを改善します。
また、シンスプリントに対するサポーターはありませんが、必要に応じて、足関節からの影響が強い場合は、足関節に対してサポーターを行う場合があります。
予防
まとめます^^
・やり過ぎを避ける
・運動の強度と持続時間をゆっくりと増やす
・柔軟性の獲得
・脚、足首、体幹を強化して安定させるエクササイズ
・衝撃を吸収するインソールとアーチサポートを検討
・正しい靴を選ぶ
クツ選びも大切ですが、高価な必要はありません。
たくさんのブランドがありますが「ニューバランス」は、元々、警察官や消防士のように長時間立っていることが不可欠な仕事をしている人向けの医療用シューズブランドとして始まっているので、しっかりしていてオススメです。
(ニューバランスは、1906年に「労働者の足の痛みを解消する為」のインソール・矯正靴メーカーとしてアメリカのボストンで創業されました。当時、開発されたインソールは、ニワトリが3本足で完璧にバランスを保って立っていることからヒントを得たものであるといわれています)
なかなか改善しない「痛みや症状」是非ご相談ください。
お役に立てるとうれしいです!
地域医療の一番身近な窓口を目指します。
<参考URL>
シンスプリント: 現象、原因、診断、および治療 (msn.com)
シンスプリントの治し方 | 都立大整形外科クリニック (ar-ex.jp)
シンスプリント(脛骨過労性骨膜障害) | こまつ整形外科クリニック (komatsu-seikei2022.jp)
<参考文献>
「ランニング障害」文光堂
「部位別 スポーツ外傷・障害 足・下腿」南江堂
「身体運動の機能解剖」医道の日本社